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乳児院で働く保育士は、子どもたちの笑顔や成長にやりがいを感じる一方で、多くの苦労や悩みに直面することもあります。
給与や労働条件、人間関係、責任感など、仕事を辞めたいと思う理由は人それぞれです。
乳児院を辞めた経験から、具体的なエピソードと共にご紹介します。
乳児院を辞めたい
乳児院を辞めたいと思ったエピソードをご紹介します。
人が足りなかったため、子どもがいる職員は子どもを連れて勤務されていたことがありました。
その歳、いつもの担当職員に違和感を感じ、過度に甘えたり泣いたりし、不安定になる子がいました。
冬にRSウイルスが蔓延してしまって、次々と月齢の小さな子が入院をしたのですが、そうでない子は感染拡大防止という観点からそれぞれのベッドの中で食事をしていました。
ベッドに食事をこぼして汚れてもすぐには変えられないし、子どもたちはベッドから出たがって、柵を持ってガンガンと揺らしたり。
檻と言ったら大げさですが、その光景は大変心苦しかったです。
乳児院を辞めたい理由
乳児院を辞めたい理由をご紹介します。
心苦しさを感じる
乳児院には、産院から直接入所する赤ちゃんもいます。
集団生活なので、生後間もない赤ちゃんは、感染症対策で個室で過ごします。
そのため、人の気配も感じない、ミルクやおむつ替えの時にだけ抱っこという過ごし方で、とても切なくなりました。
もっと抱っこをたくさんして育てたいと思いましたが、もう一人の担当の子はその個室には入れないので、どうしても一緒にいる時間が短くなってしまいました。
人間関係
乳児院は人間関係で苦しくなりがちです。
女性の世界ですし、性格もそれぞれです。
キツイ言い方をする方も多く、「そんな言い方しなくてもいいのに」と子ども以外のことで悩むことがほとんどです。
乳児院の保育士として働くメリット
乳児院の保育士として働くメリットをご紹介します。
乳児院は、子どもに心から好きでいてもらえます。
それがやりがいにつながります。
担当の職員を保護者のように思い、甘え・わがままなど、たくさんの感情をぶつけてくれます。
無償の愛を子どもから感じ、モチベーションにつながります。
また、担当の子どもと二人きりで出かけすることができます。
まるで親子のようで、1人の子だけのために過ごすことができます。
その子に合わせたお洋服やおもちゃを購入することもでき、個々の特性を見て一緒に楽しむことができます。
乳児院の保育士として働くデメリット
乳児院の保育士として働くデメリットをご紹介します。
拘束時間が長い
乳児院では、休憩時間がお昼に2時間以上あります。
一応8時間労働とはなっていますが、拘束時間が長いため、プライベートの時間確保が難しくなります。
夜勤の負担が大きい
夜勤では各部屋一人で見るため、責任がかなり大きいです。
呼吸の確認はもちろんするのですが、一人が泣いてしまうとどんどん起きてしまい、それが5時間以上続くと正直かなりの疲労感です。
それに人が足りないと、夜勤明けも勤務となり、睡眠がお昼休憩の時だけとなります。
3歳になったらお別れ
乳児院の子どもは、どんなにかわいがっていても3歳になったら、児童養護施設等へ移ってしまいます。
それにはとても寂しさを感じます。
関わった子がどんな成長をして、どんな大人になるのかを見守ることはできません。
不規則な勤務形態
不規則な勤務形態で、睡眠時間も削られます。
日中は眠気が強い日もあり、体力を温存しつつ仕事をしていく必要もあります。
記録をできるだけとって行きたいのですが、現実はなかなか長文で書くこともできないほど忙しいです。
引き継ぎ資料なども目を通すこともできないこともあり、若くないとできません。
女性の定着率もあまり良くないので、若いときしかできない仕事のようにも感じます。
私自身は、結婚を機会に乳児院から転職をしましたが、体力がいる仕事でした。
乳児院の保育士に向いている人
乳児院に向いている人をご紹介します。
乳児院に向いている人は、とにかく子どもが好きな人で割り切れる人が良いでしょう。
近年、虐待で入所する子どもが多くいます。
そのこといつまでも引きずって、「かわいそう」という感情を持ちすぎると、子どもの自己肯定感が上がりません。
乳児院の中で育てていく、という考えでお仕事できる方が向いているでしょう。
また、何事があっても動じない心を持っている人、特技がある人は向いています。
クリスマスの時期のサンタクロースへの変装や豆まきの時期の鬼に扮するなど、楽しい行事を企画して子どもに楽しみを提供できる人は向いています。
乳児院の保育士に向いていない人
乳児院の保育士に向いていない人をご紹介します。
乳児院の保育士に向いていないのは、連携が図れない人です。
担当の子がいて、その子のために過ごしていくのですが、やはり集団生活です。
他の職員と連携を取って過ごすため、利己的では難しいです。
協調性があり、傾聴力・共感力を兼ね備えていないと、長続きはしないでしょう。
また、行政や法人も絡んできます。
自分は子どもためにこうしいたい、と思っていてもできないことが多々あります。
子どもの保護者の代わりになりたいと思う方は、入職後に差異を感じてしまい、向いていないでしょう。
乳児院の離職率
令和2年社会福祉施設等調査によると、乳児院で働く保育士の離職率は9.0%でした。
保育士の離職率は高いイメージがありますが、実際には他の職種と比べて高くないことが分かっています。
保育士の離職率は、令和3年6月時点で9.3%でしたが、全産業の平均は12.1%でした。
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